皇とアトリエ
私とほか数名がティアのアトリエに呼ばれた。
ティア様曰く特に見込みがある子達を選抜したらしい。
ここには私、皇とトーワリスとマリーが呼ばれた。
「見た目はただの一軒家に見えたのに」
「な、中はこれでもかってくらいのアトリエ特化……」
錬金釜は私達が使っている統括会の備品に比べると重厚感から魔力伝達能力から何まで格が違う。
これで錬金術をやれば私だって……
「それは無理じゃぞ?」
「え?うわぁぁぁ!!」
いきなり声をかけられてびっくりした。
小さな男の子?がいきなり現れたと思ったらその子は得体の知れない気配がした。
言葉にしてない事に対して反応された?
「なるほどの、筋がいい」
突如褒められても困惑を隠せない。
私如きが発言が許されているのか分からないけど、直感が訪ねろと言った。
「アナタは……」
「儂か?儂はな、錬金釜じゃな!」
「は?」
「まあ、そうじゃろ。驚くよな。この世で唯一命を生み出せるものは何か」
「そ、創世術……はっ」
私の考えが合っているのならばと思わずティア様の方を見た。
彼女はもうそんな高みにいる御方なのか。
「……たしかに筋がいい」
ボソッと誰かが言った。じっーと見てくる人がいた。
確か、ソフィーとか言ったっけ。
この人から見た筋とはなんの事だろうと気になったが、それ以上の思考はできなかった。
それは突如アトリエに押し寄せた人物に思考が上書きされてしまったからだ。
「ちょっと、ティア!!あんた何したの!?」
「あ、梅ちゃん!」
日ノ本梅、孤高にして高潔なる陰陽師様はそのイメージを打ち壊す慌てっぷりに驚いた。