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裏の糸
「れ、錬金術師が統括会から脱退するとなれば、もう魔法界では生きていけないわ」
「そ、そんな……」
「いまですらギリギリなのに……」
生徒会長の言葉は不安を煽る。
今現在、自信の無いこの錬金術師達には効くでしょうね。
「と、統括会でもそこまでの権限は個人に与えられてない!」
「だとしても統括会を卒業出来なければ何も無い状態で空虚な人生を歩むことになる」
「何を言ってるのか。私は既に学園を持つ権利を他でもない統括会から与えられていますし、錬金術師の仕事は私が独占します。関係無いですね」
「……ならばとっとと出ていけ」
「……準備はいるでしょうに」
「……ああ、新しく学園やら帝国やらは裏世界でやるんでしたね。精々気をつける事ね」
「嫌な人ですね」
「……ま、運が無い人ね」
「こ、これで良かったのね?統括会が意志を持って敵対したと云う事実を作ればあの子達はっ!」
「ええ、結構なお手前で。まだ計画は始まったばかりですからゆめゆめ忘れぬよう」
「は、はい」