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錬金術師の同志達よ
「はい、皆さんお久しぶりですね」
「……なんで先生みたいな振る舞いなのよ」
統括会全体で見た時の端の端に錬金術科は存在する。
相も変わらずに有能な力を冷遇していらっしゃる。
いつか賢者に問いたださなければなりませんね。
それはともかく、愛しき同志達に久々に会えてとても嬉しい。
クレアちゃんは1人だけこの喜びを分かってくれそうにないが。
「わぁ、ティア様だ!」
「大錬金術師だ!」
「オーラが違いますわ!」
「俺、ティア様がここに初めて来た時居合わせたんだぜ!」
「わ、私もティア様のようになれますか!?」
迷える同志達には理想像が無かったのだろう。
その理想に私を描いてしまうもの無理は無い。
私だって未熟で、そもそも錬金術師としては、はぐれもいいところだ。
しかし、それでも錬金術師と認識されれば私は錬金術師なのだ。名が広まれば師匠にも届く。
「え、ナニコレ。宗教?」
「何言ってるんですかクレアちゃんは。ただの錬金術師の同志たちですよ」
「わぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「やっぱ錬金術師やべぇわ……」