レッドネッサ・バフォーム5
「まぁ、後は今に至るまでずっとバフォーム家の長って訳だ」
「なるほど、なるほど?今に至るまで?」
「……バフォーム家の呪いさ。奴は特別すぎた。統括会に置ける色の魔法使いすら凌駕する程だからな」
「よく統括会はバフォーム家を抑えれましたね」
「先代賢者、ッってもどの辺の賢者かは知らねーけどさ。が起源の魔法持ちで拡散したんだとよ」
「拡散。なるほど、だから世にも珍しい一族に起源の魔法が行き渡ってると」
「そう。並より強いが、突出しない、出来ないようになってる。現に俺は『力』は扱えるが、レッドネッサの全盛期の多分100分の1程度だろうさ」
「ブレットも強いとは思いますけど、その100倍……手に負えませんね」
「ま、そういう事が過去にあって復讐心もある」
「ブレット自身には無いんですか?」
「復讐心か?無いね。というか、分からん」
「分からんとですか」
「生まれた頃からそうだった。周りと比べても頭ひとつ抜けていた。まあ、お前とかクレアみたいな特別にはなれないかもしれないが、それでも行ける所までは行くさ」
「なるほどね。込み入った事情ですね。しかし、ここに来てバフォーム家の動きがきな臭いとなると」
「ああ、何かしら思いついたのかもしれないな」
「今更ですけどブレットはこんなにペラペラ喋っても良かったんですか?」
「ああ、問題ない。バフォームと名乗りはするが、一族とは袂を分かったからな。なんな家には居たくねぇ」