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レッドネッサ・バフォーム3
「と、ここまでが始まりとされている」
「何だか先が読めますね」
「まあ、予想通り父親は死んで、二番手のやつが好き勝手やり始める」
「うーん、父親を殺した魔物がやって来る?」
「正解だな。そこで二番手のやつは手も足も出なかった。そりゃそうだろう、一番強い奴が負けたんだから。で、満を持してレッドネッサ登場って訳だ」
「でもまだ幼くないですか?流石に……」
「普通ならな。レッドネッサはこの時『起源の魔法、力』を授かった」
「それってブレットが体術で使うやつよね?」
「まあ、な。続きだ」
その魔物はどの動物にも当て嵌ならい異形でった。
全身に魔石が食い込むように生えている。
レッドネッサは町を戦う場に選んだ。地形をよく知っていたからだ。
走り回って、様子見をしている段階で、自身に違和感を感じた。
それはネガティブな物ではなくて、ポジティブなものだ。
走る内に動きが早くなっている自覚があった。
更に、その辺の家の壁を横殴りしたらヒビが入ったのである。
レッドネッサは悟った。力が与えられたのだと。