討ち入り
「オレの家は所謂名家だが、それ故にプライドが高い。俺にとっちゃそんなもの取るに足らないくだらない物だけどな」
「でもブレットには悪いけどさ、そのプライドって私痛いほど分かるんだ」
「そうか。でも、バフォーム家は次元が違うと思うぜ?他者を蹴落としてでもその地位を守り、その野心は留まることを知らない」
「なら、私とは似て非なるものね。ねぇ、知ってる?」
「なにを」
「私だって今この瞬間も、アトリエに居る時もずっと怖い事を」
「何を馬鹿な……ことを……。いや、そうだよな」
「何も無いし、他者を誤認させるように振舞ってきたから多少は大丈夫だけどその気になれば誰だって私を倒せる」
「それでもよ、お前は」
「そう、何とかなっています。なので、ブレットも何とかします」
「フッ、ハハハッ」
「なにか笑われるようなことを言いましたか?」
「ああ、俺を笑ってた。なんて臆病なんだと、弱虫なんだと。あー、頼みがある」
「なんでしょう、この高名なる錬金術師、ティア・愛音・シャドールに掛かれば解決出来ぬ事は無いでしょう!」
「「アハハハハハ!!」」
「バフォーム家をぶっ潰したい!」
「ええ、良いでしょう。でも、証拠が要りますね」
「……そうなんだよな」