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梅ちゃんの災難
「あら、ご機嫌ね」
「……こんにちは?」
「なんで疑問形なのよ。全く、一言もなく帰るなんて薄情じゃない?」
「何だか気まずくて……」
「知ってるわよ、大胆不敵何だから」
「ところで梅ちゃん」
「なに?」
「初めて会った時のこと覚えていますか?」
「あら、急に用事を思い出したわ」
「リーナー!」
「ご命令とあらば」
「ひっ!あ、開かない!『自壊作用急急如律令』!」
梅ちゃんはリーナーの張った結界をよく分からない技で壊しました。
パリンと音を立てて目に見えない何が崩れ落ちるのを感じます。
しかし、逃げるには至りません。なんせ、私が梅ちゃんのすぐ側に居るのですから。
肩をガッシリと掴んで回転させます。
梅ちゃんの綺麗な顔が対面に来たのでニッコリ微笑み、エスコートして差し上げます。
「さぁ、こっちでお話しましょ」
椅子を引いて座らせます。
勿論、限界ギリギリまで大きくなったミルクショコラも一緒です。
「楽しい時間にしましょうか」