契約と、賢者と、錬金術師
「お主は今後単独行動は禁ずる」
「だって」
「ならクレアちゃんがいつもそばに居てくださいね」
「なっ……べっ、別にどうしてもって言うなら、良いけどねっ!」
「どうしてもですっ!」
「良かったじゃねーか」
「うるさいっ!」
「グフッ!」
「……えー、本題に入りましょうか」
「ちょっと待て、無視は酷くねーか!?」
「ドンマイっす」
「裏世界にアトリエの建設は許可する、費用と作業員もこちらで用意する」
「え、アトリエは錬金術で作ります」
「駄目だ、コチラが認知出来ない。まあ、そう言うと思って折衷案だ」
「ムムム」
「むくれるな、譲歩してやってるのだ」
「では、こうですね。建設に使う材料やパーツを錬金術で補います」
「それを魔法使いとドワーフが形にする。でいいか?」
「いいでしょう。直ぐにとは行きませんが」
「契約がまとまればコチラとしては十分だ」
「もう1つの方は?」
「善処する。情報はくれてやる、全てな。しかし、ティアが統括会を裏切る場合、全勢力を持って……」
「敵対はしないわ。魔導図書館は?」
「所属しても構わんよ。元々統括会の分校だしな。ソッチも契約がある。問題は無い」
「そうですか。あ、1つ提案が」
「なんだ?」
「私が裏世界に錬金術師の学校を作りたい」
「……今すぐ返事は出来んな。が、分かった。悪い様にはしない」
「ひぇぇ、ティアさんってメンタルが強靭すぎますよね」
「それもあるけど、多分魔力を感じ無いのよ」
「あ、だから」
「そう、あの重い魔力に充てられない」
「……私にはなんか懐かしいッスね」
「ふむ。ミホさん、その感覚はヒントかもしれませんよ」