2つ
「で、騒動はどういう感じだったの?」
「向こうで不手際でブレットに喧嘩を吹っ掛けて負けたと言うことと、大事にしたくなければ燈火さんに会わせろ、裏世界に行かせろと付けつけたんですが……」
「うっわ、えげつな。その言い方だとダメだったのね」
「裏世界に行く事はOKでした。但し、崩壊しかけだから危いとも言われましたが。燈火さんはダメでした。本人が錬金術師なんて知らないって言ってるそうです」
「ふうん?」
「何かワケありでしょうね」
「後は、不確定だけど燈火は2人居るかもってところだな」
「……正確にはそうじゃない」
「ミラクル?」
「……初日に会ってきたが、アレは面は一緒だが、全くの別物だった」
「ちょっ、聞いてない!燈火さんに会ってたんですか!?」
「成り行きでな……首を絞めるなっ!死ぬわっ!」
「はっ、あまりにも怒りが先行してしまった」
「えっと、じゃあ次。私ね。このレポートを読んでわかったこと。まず陰陽術を使った複製、及び、魔法での再現。コレをくれた陰陽師、居たでしょ?その人は起源の魔法を持っているらしくって、その魔法の事と、裏世界との関連。最後に日本の裏世界についてだったわ」
「クレアちゃん、裏世界の事はなんて?」
「日本の裏世界は生と死を分ける世界。日本では逢魔が時という物がある。日が沈む頃、この世とあの世の境が曖昧になるそうよ。その時、裏世界は開かれる」
「私たちが知ってる裏世界とは少し違うようですね」
「そうね、そして日本は完全に掌握していた。が、原因は不明だけど崩壊が始まった。もし、完全に崩壊した時、あの世との境界線は無くなるだろうって」
「まーた、大変な事を知っちまったなあ」
「別に私たちが何とかしなくてもいいのよ?」
「ああ、そうか。だから陰陽師の連中は閉鎖し、封印でもしようとしてたわけか」
「最後、ティア、アナタに一番重要かもしれない」
「な、なんですか?」
「目撃情報、ある1人の男性がフラスコ瓶を持って強行突破、裏世界に潜入し、その後崩壊が始まった」
「……それって」
「可能性は高いわ」