ミホ
「ミホさん、少し無茶してませんか?」
「そうですよ、らしくないですよ」
「……ここに来てから凄く気分が悪い。頭が痛い」
「えっ、それなら休んでた方が」
「ソフィー、過去は見れませんか」
「ミホさん?」
「いや、なんでも無い。行こう」
「ゲートに誰も付いてない?」
「な、なんだか逆に怪しくないですか?」
「……距離を取って移動の魔法を使う」
「待ってください。一応様子見をします」
リーナーは手のひらに小さな黄緑色の小鳥を生み出した。生み出したと言っても生き物ではなく、魔法によってその様に形作っただけ。
リーナーが杖を振ると、スーッとゲートに当たりそして、弾かれた。
「……引きましょう」
「リーナーさん、アレって」
「恐らく封印術の類でしょう。陰陽師は封印が得意なのかもしれませんね」
「はっ、不味いですっ!誰か来ます!」
「そんな気配ないけど、ソフィーが言うなら間違いないね。捕まって、寺の外に出るよ」
「……助かりました、ありがとうございます」
「私に出来ることがこれしかないだけ」
「あの、ミホさん。口調が……」
「……記憶が戻りつつあるのかもな。私の記憶と関係がありそうだ」