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起源の魔法 時
「ちょっとお兄ちゃん!どこ行くの!?」
暗い廊下を音も立てず歩くお兄ちゃんと呼ばれる人物と、その人をドタドタ音を立てながら追い掛ける人物がいる。
兄と呼ばれる人物は、これといった特徴はない。
名は空。統括会で言う所の色の魔法使いに匹敵する位、審神者を持つものだ。
年齢にして17とかなり若い。
それを追いかける人物、空の妹、陸。
彼女は空と打って変わって絶世の美女と言っても過言は無い。ただ、見た目の可憐さと、言動が不一致な為に、少々残念な感じは否めない。
「錬金術師が来ているらしい。俺の術式はまだ進化する!」
「お兄ちゃんのって陰陽種でしょ!?意味ないじゃん!」
「……陰陽術じゃない」
急に足を止め陸に向き直る。
サッと視線だけ動かして術式を一瞬で貼る。
約5秒の術式。これなら、痕跡も残らない。
「俺は起源の魔法が使える」
「えっ」
「つまり、魔法使いだ」