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宿と妖狐
「あ」
「どうしたの?また何か厄介事?」
「平然と厄介事が前提になってる……」
「問題に向かって言ってるからな、ティアは。で、今度は何?」
「尾がいっぱいの狐」
「妖狐じゃない?行きましょー」
「えっ、えええ!?そんだけ!?」
「はい、ウズウズしない。目的は燈火でしょー」
「はーい……」
「普通の宿じゃないけど、泊まるところも予約してあるから」
「準備いいな。こんな突発的なのに」
「まあ、半分くらいは日ノ本さんが根回ししてくれたわ」
「日本の奴らもアレにはじっとしてて欲しいんだろうな」
「……さて、装備の確認とかしておきますかね」
「わ、私も~」
「私はそういうのなんも無いっすからね、どうしよう」
「ま、俺らはのんびりしよう」