267/988
久々の梅
「わ、和風……」
「初めて来たけど、壮観ね。圧倒されるわ」
「なんといいますか、場の空気に呑まれそうですね」
「あら、見知った顔ね」
「アナタは、あ、えっと……日本人!」
「そうね、正解。日ノ本梅。まさか、アナタとは……」
「あのっ!!」
「ひっ!な、なにかしら?」
「私と一緒に来ませんか!?ね!?」
「止めなさい!」
「あう……」
「み、見ました!?ミホさん!あの表情!」
「見た見たッス!完全に……」
「完全に、何かしら?」
「え、な、ナンノコトデスカネー」
「ひそひそ声だったのに、何で聞こえてるの!?」
「それは簡単よ。わたし、得意な魔法はなかったのだけど、ついに出来たのよ」
「へ、へぇー。因みにどんな魔法何ですか?」
「千里の声まで聞く風の魔法よ。風を形作るのは応用なの。あ、因みに筆記音で何書いてるか分かるわ」
(心読まれてるーー!!)