方向性
「この際ですからあの二人も呼びましょう」
「パーティメンバー再結成ね?」
「私の為に……ありがとうッス」
「それもありますけど、嫌な予感もするのです」
「それは、私のことでッスかね」
「夢の事ね?」
「何夢の事って」
「なるほどね、貴女ほどの星詠みの予感は無下にできないわ。しかし困ったわね」
「クレアちゃんも困り事ですか!?」
「なんで嬉しそうなのよ。あー、あのね、ティア。暫くは統括会に身を置くでしょ?多分」
「多分」
「本当ですか!?わぁ、嬉しいです!」
「となるとね、こないだみたいに好き勝手しにくいのよ。かくいう私もあの時期統括会行ってないし。まあ、賢者の頼みを受けたティアの付き添いって扱いだから問題は無かったけど」
「なるほど、大義名分が無いんですね」
「そうなのよ。ちょくちょく依頼もこなさないとランクも落ちるし」
「ふむ。私のメリットが少ないですかね」
「ま、ティアは上手くやんなさいね。唯一交渉権を持ってるんだから」
「つくづく思うのですが、ティアさんって何者なんでしょうか」
「才能があって運がとてもいいだけよ。つまり、私に限って、いえ、ミホもソフィーもだけど常に自由では無いことを念頭に動かないといけないわ」
「と、なるとあの二人も同じですかね」
「多分ね」
「むー。あ、なら燈火を引っ張ってきましょう。たしか日本でしたね!」
「は?まさか……」
「はいっ!いざ行かん、Japanese!!」
「うわっ!日本ッスか!?行くっスか!?」
「私日本初めてです!」
「待って、賢者からの返事とかさ」
「こうしてはいられません!皆さん、準備ですよ!」
「はいっ!」
「了解っス!」
「あー!もお!助けて燈火〜!!」