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始まりは夢
「……どうか夢であって欲しいのでふが」
「何がですか?星詠みで嫌なものでも見ましたか」
「は、はい。忙しい時にすいません」
「大丈夫ですよ。1週間猶予を儲けましたから」
「統括会に条件を出したんですよねら、本当に常識外れの人」
「常識とは何でしょうね。それより、あなたのお話ですよ!私知らなかったのですが、ソフィーが魔力欠乏症になっていたなんて!」
あの場で倒れた私は魔法院へ運ばれ治療を受けた。
ティア組は各々とりあえず自分の生活に一旦戻り、私も平凡が訪れた。と、思っていた。
その日の夜から毎晩、毎晩魘された。
この世のものとは思えないバケモノが夜の街を闊歩し、時には誰かと闘っているのだ。
それだけならまだ良かった。
しかし夢の最後にいつもこう言ってくるのだ。
「助けて」