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お話3
「まず、魔法なんてどうでもいいのです。使うなと言われれば使いませんし、話すなと言われれば話しません。ですが、現状目的の為に必要なので使いますが」
「アイツの捜索か」
「で、縛られるとその、嫌なのです。時間が無いのです」
「待て、そらはどういう事だ?」
「創世術師は世界の意思に最も近く、飲まれてしまう」
「……長年の疑問の合点がいった。そうか」
「ちょっと、ティア?どういう事なの?」
「皆さんには後で。賢者、私の要求はこうです。自由と保護」
「見返りは」
「私の中途半端なこの錬金術でよければ貸し出しますよ。統括会へ入れ、というのなら入ります」
「ふむ」
「私は譲りません。もし、無理と言われれば魔導図書に同じ話をしに行きます」
「……なんじゃと!?」
「ここに1番初めに来たのはまあ、師匠の事もありますし、ここの魔法使いに良くしてもらったので」
「分かった。1週間、1週間後返答する。約束しよう、悪い返事はしないと」
「分かりました、よろしくお願いしますね」