計画3
「具体的にどうやってやるの?」
無茶苦茶だと感じながらもクレアちゃんは話を聞いてくれます。
テーブルに肘を着いて、いわゆる顎ひじをして興味を示してくれました。
「私、得意な錬金術ってあると思うんです」
「破壊?」
「ち、違いますっ!移動です!」
クレアちゃんの私に対する解像度がまだまだ低い事にちょっと凹みます。
そんなに私のイメージは破壊と結びついてしまっているのでしょうか。誠に遺憾です。
私の錬金術の根本はミルクショコラからの魔力供給で、無理やり錬金術を行っている為、ミルクショコラの転移の性質が少なからず錬金物に加えられます。
「それはミホでしょ。あ、そうだ。ミホも正式に統括会に通うことが決まったわ。良かったわね」
「ええ!本当ですか!?学校なんて小学校以来ですからちょっと楽しみなんですよね〜。みんなと一緒、憧れでした」
私の事はサラッと受け流され、ミホさんの話になりました。
ミホさんは記憶が有りません。
それ故に統括会は生徒として、記憶が戻るまでの正当な教育と、その後、仮に記憶が戻った時に統括会へ属する事が決定したそうです。
因みに学費は師匠組が出してくれました。
「……そういえば余りティアの過去って知らないわね」
「つまらないものですからね。では、より一層この計画には気合いを入れないと行けませんね!」
「おい、小娘」
「な、なによ」
「余計にやる気にさせてどうする」
「気を紛らわせたかったのよ!そりゃ、大人の事情が見え隠れするけどさ、それでも楽しんで欲しいじゃない」
「で、儂が苦労すると。道ずれだからな?」
「はぁ、分かってたわよ」
「で、どうするの」
「空間の同一化です」