なぜ?
「えっと、この水晶に触れればいいのよね?」
真ん丸な水晶二手を触れれば、手のひらから力が抜けていく感覚がある。
「本当は統括会の最初の最初にやるんだけどね」
クレアちゃんはブツブツ文句をいったり、先輩面して、精一杯の背伸びをしていますが、なんやかんや着いてきてるのポイント高いですね。
「自分でも自分がイレギュラーってことくらい分かってます」
クレアちゃんに、というか、この場にいる人達に対して小さな声で愚痴ります。
「本来はこんなに人数も要らないんだけどな」
二ーヴァさんは苦笑いしてそう言います。
「おい、何してる。早く魔力を流せ」
「むう、流してますって!」
ストラウトさんがイライラしながら言ってくるので、私は私で言い返します。
「まさか、魔力が全く無いのか?」
「ちょ、ちょっと待って!それだとティアが創成術が使える事に説明ができない!」
「そもそもそれも怪しいもんだ、お前が直に見たわけじゃないんだろ?」
「うっ、そ、そうよ。でも状況的にそれしか有り得ないのよ!」
「えーと、私は魔法使いに関する人じゃないって事でOK?」
ストラウトさんと二ーヴァさんが言い争いをして、その内容的に、私自身、この世界と無関係なのかなーと思ったのですが、そうじゃないらしい。
「なわけないだろ、事態はもっとめんどくさいぞ」
「……あ、でも」
「なんだ?」
「私、杖持ってるよ?」
手を掲げ、杖を出します。ポンっと顕現出来るので魔力はありそうなんですけどねー。
「なぜ?」