創世術師3
「さて、あまり無駄話ができる時間は無いからね。伝えたいことだけ伝えておくよ」
「私からも聞きたいことがあります」
「分かった。けど先に聞いて欲しい。君の生き死に関わるからね。いや〜、僕の時は誰も教えてくれなかったからね、こうなっちゃった」
「えっと……」
「創世術師について。錬金術師が成ると言われるけれどじゃあ、その定義はなんだ」
「魔法使いが薬物、錬金術師が物質、創世術師は生命を作る?」
「なんと、そこまで分かってるのか。じゃあ、省略しよう、成った後だ」
「その前に。私は創世術師なんですか?」
「いや、錬金術師だよ。そこのドラゴンは君とは異なる色の魔力をしてるから、別の誰かがほとんどの工程をやっていたんだろうね。もしかして君の師匠かな?愛されてるね」
「そんな素振り無かったですけどね……」
「ふふ、愛情ってストレートに伝えづらいものだよ。でも現に君は愛されていた。じゃ無きゃ創世術師の真似事なんて出来ないよ。話を戻すね」
「あ、はい」
「創世術師は創世術師に成った時から存在が歪んでいく。僕も長く創世術師だったけれど結局その理由は分からなかった」
「それが伝えたい事?」
「そうだね、その詳細だね。いいかい、創世術師はいづれこの世界の一部になる」
「……え」