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創世術師
本体は木偶の坊ですね。全く動きはありませんし、植物も植物らしく意志を持ってこっちを襲ってきたりしません。
やっぱ魔法っておかしい。
「アナタに眠りを『氷の鈴蘭』」
花を軽く投げてポスっと創世術師の体に触れました。
たちまち霜が全身を包み、植物は一瞬の内に氷漬けになって、弾けます。
キラキラと微細な氷の粒子となって今、全世界を覆っていることでしょう。
終わってみれば呆気なかった。
もっと苦戦すると思ってた。さいあく誰か死ぬと思っていた。
でも、息がしずらい。
深い呼吸を何回か繰り返す。
ミルクが私の身を案じるように近くで警戒をときません。本能的な部分で言えば私よりはるかに上回る。
まだ、何かあるのでしょう。
その正体が分からず、気味の悪さを覚えます。
創世術師は砕けることなく今もそこにいます。
その手に持った本が緑色の光を放ちます。
「ま、不味い気がする!する!!」
そう言葉にした時には遅かったのでしょう。
光に包まれま私とミルクショコラは真っ白な世界に居ました。
「へ?」
ここはどこ?
地面ある。
ここはどこ!?
「やあ、新しく芽吹いた革命の蕾さん」
「へ?」