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クレア2
舐めていた。ただ、私が幼すぎた。
錬金術なんてマイナーなもので魔法よりも凄いことを軽々しく成し遂げていく。
内心穏やかではなかった。
妙に馴れ馴れしい態度に心が張り裂けそうだった。
私に姉がいたらこんな感じなんだろうな。
ライバルがいたら。
リーナーや、ブレットも同年代では頭抜けているのは分かってる。師匠同士が仲良いから顔を合わせる機会は多かった。
でも、彼らには劣っていると思わなかった。
力技でごり押せるブレット。小手先の器用さでソツなくこなすリーナー。
私もどちらかと言えばリーナー寄りだけど、ちょうど2人を足して割った感じだと思う。
で、ティアだ。彼女は想像性でその全てを塗り替える。
否定されたらそれ以上に驚かせひれ伏させる。
直感で人材を抱え込む。その度に嫉妬した。
彼ら彼女らはティアに見初められそばにいることを許された。
私は所詮お守りだ。
それは悔しかった。
勝てないなら、役に立とう。その一心だった。