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クレア1
届かないな。そう強く確信した。
私、クレイア・ムーヴは一月足らずの付き合いの自称錬金術師の全てを見通す様な目を見てそう思った。
私自身平凡なのは分かってる。
未だになんで師匠が私を弟子にとってくれたのか分からない。
初めは嫌だった。
師匠に連れられた一軒家で、ぶっ倒れてた少女。
私はこんなのをおつしけられたんだと思った。
まあ、直ぐに違ったんだと分かったけどね。
兎に角、そんな第一人称で、頼りない。そう思った。
でも、ティアの傍らには見た事も聞いたことも無いような物が転がっていた。
異質だった。
そう、彼女は異質なのだ。