身を引くほど驚かれ
「そうだ、さっきサラッと依頼キャンセルみたいなこと言いませんでした?」
机に寄って椅子に座って二ーヴァさんに尋ねる。
色んなことがいっぺんに起きすぎていますね。
「当たり前じゃない、アイツ宛ての依頼よ?ティアには無理なの」
二ーヴァさんも私の対面に座って、指を1本立てる。
「実力的にですか?」
「権利的に。ひょっとしたら達成できそうなのが怖いのよね」
「そうですか、それならそれでいいです。では、私は師匠を探しますので」
手がかりになると思ったけれど、依頼元から断たれてしまってはこちらとしては何も言えないし、何も出来ない。
微かなヒントすら無くなってしまった。
「それも待ちなさい。魔法に関する人は無許可であまり勝手出来ないの」
「師匠……」
師匠の勝手っぷりを思い出すと二ーヴァさんの言葉が信じられない。
「アレは特別よ」
「なんのために私や、その他2名だっけ?があんたと行動すると思ってるの」
クレアちゃんが私の横に立ってやれやれと言った感じて言います。
「何のため?」
「ライセンスのレベルを上げる為よ。その副次的な結果として、各自目的を果たしましょうって話」
「回りくどいのね。なら、まずはライセンスを取らないと行けませんね」
「「え?」」
ライセンスがないと言えば身を引くほど驚かれました。