221/988
2
「私、相棒枠……」
「なら、あっち側行ってこれば?防衛もこんなに正直要らないだろうし」
「だってさ」
「…………いく。いってくる!ティア〜!私もティアと戦うよ!」
「わ、はいっ!頼もしいです!行きましょうか!」
「どうせ、弱点は本体でしょ。なら、相手のガードは私が崩すわ」
そう言って、風で手を形作りました。
いつの間にこんな高等魔法を覚えたのでしょうか。
魔法は打ち出すもの。基本的な考えであり、いちばん多様性が生まれます。
中には精神に干渉したり、運命を呪うものも有りますが、どれも禁術として使ってはなりません。
その中で、ものに作用する魔法は高度なものになります。
鍵を開ける、物を浮かす等。
そして、魔法で形を作ることは限られた魔法使いにしか出来ないのです。
錬金術師ですら、素材を使っての1+1=2の原則が有ります。
魔法はそれを無視して形を作る。
この世で最も不自然な力。
それをいま、目の当たりにした。