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「さっ、頑張ろう」
「うん、任せておけ」
ティアとミラクルが軽く拳をぶつける。
ただカッコつけただけだった。
しかし、ティアはそこでミラクルから魔力を受け取った。結果、
「わわ、世界が虹色に見える!?」
「ティア、魔力があったの!?」
「なんでもいいが、タイミングが良すぎるくらいだな」
「ミラクル、私は『大破の鉄球』しか作った事ないよ」
「レシピなら儂が知っとるし、素材は全て魔力で代用するぞ」
「驚いた、コレアレだね。チートだね」
「何言ってんの、兄弟子」
「なんでも無い、皆、ティアを守り抜くぞ」
リーナーは手始めに半径1mに風の結界を張った。
シーフォートはリーナーの魔法の使い方に驚いた。
打つだけではなく範囲を固定して守りに使う。
今までにない発想だった。
シーフォートはリーナーの結界を壊さないようにしつつ、自身の雷を風の結界に纏わせていく。
「よし、まずは『大破の鉄球』!」
ミルクの口元に、えいやっと放り投げればそのままブレスで創世術師に打ち込んでくれる。
そこに指示は無い。阿吽の呼吸。