我が名はティア・愛音・シャドール!錬金術師なり!
全く魔力を持たない人々は人類の大半だ。
その人達が御伽噺の光景を目にした時、何ができるだろうか。答えは簡単で何も出来ない。
「訳わかんない、何あれ?何あれ!?」
何をすべきか、現実を受けいれられない人もいる。
「車を出すぞ」
「どこに行くっての?」
「とにかく遠くだよ!」
「あの巨大な植物がない場所なんて無いじゃない!」
パニックになり、意味の無い行動に走る者もいる。
不安は伝播し世界中で起きていた。
そして、この世界を覆う植物はイギリスはロンドンが中心地となっていた。
この異常を伝えようとテレビ局が報道ヘリで空からカメラを回している中、カメラマンの目に信じ難いものが写った。
それは、空想上のドラゴンを引き連れた幼さの残る女の子。女の子をカメラに映すと女の子がこちらに気づいた。
ドラゴンの背に乗りこっちに近づいてくる。
「ちょうどいいや、ねぇ!ちゃんと撮って下さいね!」
カメラマンはその自信満々の表情に力強さと無責任にも救いを見た。
リポーターも固まっているし、カメラマンも言葉が出ないが肯定の意思だけは示そうとコクコクと首をために振った。
女の子は満足そうに笑うと少し離れて大きく息を吸って堂々と言った。
「…………我が名はティア・愛音・シャドール!錬金術師なり!この状況を終わらせに来ました!!」