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ティアの覚悟
「……師匠探しが大事になっちゃいましたね」
これからやることを考えるとさすがの私でも怖気づく。
黙っていると足が地面に張り付きそうになる。
拾われて何でもなかった私。
錬金術師としてもまだまだ未熟で知らない事ばかり。
助けられてばかりで、私自身何も出来てない。
師匠は見つけられないし、燈火さんの願いも結局延期させてしまってる。
宿の窓から外を見ると圧迫感のある蔦が空に手を伸ばすように伸びている。
「クー」
ミルクがグリグリと私の顔に自分の顔を押し付けてくる。慰めてくれている。
「ふふふ、ありがとう。私自身は皆みたいな魔法は使えないけど、アナタ達が居るわ。ミルクショコラ、力を貸してくれる?」
「クー」
「クォーッ!」
「うん……よし、行こうか。先輩の尻拭いをしに!」