皮肉なる少女
「初めまして、錬金術師さん」
階段を降りて少女が言った第一声は皮肉でした。
まあ、挨拶されたので返しましょう。
「あ、こんにちは」
「調子狂うわね」
何を期待していたのか少女は渋面です。
その隣で二ーヴァさんも困ったような顔をしています。
「あ、二ーヴァさん」
「体の方はいい?」
「はい、大丈夫です。錬金術をしてみて初めて師匠がちょっと凄い人なんだなーって思いましたね」
師匠は日に何回も錬金術……じゃないや、創成術を行ってもピンピンしていましたから、私なんかよりも遥かにすごい人なんだと初めて実感しましたね。
「その事なんだけどね」
「?」
「貴女が倒れたのは創成術をしてしまったからだと思うわ」
「へ?」
「あの釜で錬金術をしたのでしょう?」
「はい、それしかないですし」
「あの液体はなにか説明できる?」
「えーと、創成液って言ってましたね」
「うん。錬金術師は錬金液を使うわ」
「………え?」
「本当にアイツは何も教えていないのね。実は貴女、創成者なのよ」
「何も知らないのに?」
「それでも出来てしまうのが創成者なのでしょうね」
「あ、そうだ。作ったやつは……」
「これの事?」
少女が指さします。その先にいたのは、
「……何コレ」
「「クゥーン」」
真っ黒なナニカと真っ白なナニカが私を見て同時に鳴きました。
あら、可愛い。