新見アルトリアの思考
新見アルトリアは思った。なんて自己中と。
アルトリアはこうも思った。なんて慕われてるんだ、とも。
隣に居るのは私達のメンバーでは無い子。
ミホだ。
明るく活発で、それでいてこの中で何も出来ない子だと思っていた。
いや、それならソフィーもお荷物なんだろうなと思った。
実際に蓋を空けれてみばとんだ思い過ごしだったと思い知った。
ここに辿り着くまでにソフィーは何回か危険予知でルートを変えながら進んできた。
黙って着いていたが本当は不服だった。
だが、それは正解だった。
真っ直ぐ進んでいたらドロドロに溶けて骨が所々見える半ゾンビみたいな妖精とかち合っていただろう。そうなれば最悪だったろう。
その状態の妖精はそこに居るだけで猛毒だ。
死ぬまで自身の不幸や、私怨を撒き散らす毒となる。もし、触れてしまったら即死んでいる。
ミホに至っても彼女が居たから逃げ切れることができるし、安心感が違う。
もしもの時の選択肢として居るだけなのに不安がない。精神的に安定するのだ。
これは大きい。魔法なんて精神が安定してないとまともに形にもなりはしない。
現在は退路がない状態だけど、ミホ本人曰く帰るだけなら出来るそうだ。
つくづく思う。化け物だと。化け物に飼われてしまったと。
黙々と日記を探しつつそうミホとソフィーに評価していた。