頼ること
「……ア、……ティア!!」
「ハッ、ど、どうしたんですかクレアちゃん」
「どうしたじゃないわよ、ここに来てから変よ?」
「そうでしょうか、それよりも日記を探さないと……」
「待ちなさいってば!アナタの師匠の手がかりがありそうなのは分かるわ。二度と来ないチャンスなのも!」
「なら……なら、ほっといて下さい!!」
パンッ!
頬を叩く乾いた音。
私の視点がクレアちゃんじゃなくて真横が見える。
叩かれたと気付いて頬に手を当てます。熱い。
「どう?少しは冷静になったかしら」
「な、なにをっ……!!」
「頼りなさいよ!いつもみたいに!」
「え」
「こんなにもティアに付いてきてる仲間がいるのに!アナタは私達を信用できませんか!」
「あ………あ」
「クレア、お前も落ち着けよ。でもまぁ、そういうこった。臨時だし、師匠が無理やり引っつけたようなパーティだけどよ。そこに情が無いわけじゃない」
「同意見ですね。ティアさん、アナタはもっと柔軟で視野が広い方だ。そうでしょう?」
「……ごめんなさい。ありがとう」
「………はい。では創成術師の日記を探します」
「はいよ」
「分かったわ」
「フンッ、初めっから言えってんだよ」
「あ、あれ?理由とか聞かないんですか?」
「後でいいわね。時間もないしね」
「あ、はい。すいません」