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邂逅、創成……
「待て、誰かいるぞ!」
暗がりの中真っ先になにかの気配を感じたブレットが皆を制止します。
暗くて良く見えない。モノクルを掛けて前方を見る。
そうすれば薄らと影が見えました。
頭が下がった状態で座る人物。
その上に木や蔦で覆われた本にしては大きすぎるものがあった。しかし、形状は開かれた状態の本そのもので、濃い魔力を感じます。
まだ、魔力を感じ取ることができない私ですら肌にそれを感じるほど。
「アレは……アレが創成物?」
座っていた人物がゆっくりと立ち上がった。
その人物は顔が黒く塗りつぶされていた。闇が侵食してしまっている。
「同じ気配がするな……お前か」
顔がない人がだらんと腕を上げ私の方へ指を向けた。
「下がって」
トウカさんと、クレアちゃんが私を背に隠すように立ち位置を変えました。