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激怒のミルク
ソフィーが目を瞑り瞑想を始めた。
前で組んだ両手を中心として、ソフィーの周りにキラキラと光る物が円を描くように表れる。
その状態のソフィーはとても綺麗だった。
「うーん、この目で見てないからでしょうか、創成物の場所は分からないですね」
「まあ、そうよね。分かったら初めからそうするもんね」
「ごめんなさい」
「あ、謝らないでよ。悪いことはないんだから」
「そうよ、悪いのはそこの脳天気な錬金術師だけなんだから」
「ムッ、意地悪です」
私に向けられた冗談だとしても悪感情を敏感に察知したのか、ミルクが何も無い空間にヒビを入れてこの場に顕現しちゃいました。
「クォオオオオオ!!!」
普段の温厚さからかけ離れた殺気に満ちた目。
その目は新見アルトリアだけを見据えていた。
「あ、ヤバい」
こんなミルク見たことないなー。と思っていましたが完全にニイミさんの事を敵と認識してしまった。
「ニイミさ〜ん」
「な、なにっ!?」
「逃げてー!」
「マジかよ!」