稀代の天才
「な、何からすればいいんでしょうか」
「まずワシに指定の素材を入れろ」
「はっ、はい!」
「なんだろう、ちゃんとした師弟ね」
「そうだな、ちゃんと指導してるな」
「そういえばティアさんは錬金術師に誘うだけでそれ以上はしませんでしたね」
「そうよね、どうも本気っぽいのになんでかしら」
「あの〜、ティアさんって錬金術師としてどれくらいなんでしょうか」
「気になるの?」
「ええ、まあ。一応私達のボス、ですからね」
「ボスって感じか?」
「まぁ、いいじゃない。ティアはね、ついこないだよ」
「え?」
「錬金術師になったのは」
「あ、ああ。2、3年前くらいですか」
「やっぱり有り得ないのかしらね」
「そうなんじゃねーの?修羅場くぐってそうなニイミが言うくらいだし」
「え?え?」
「まだひと月も経ってないわ」
「うそ」
「いや、これが本当で」
「ありえないわ、だって彼女!」
「ドラゴンやら、このショタを作り出してる、から?」
「そ、そうね。錬金術師は誰だってなれるものじゃない。だから世間風は冷たく吹くし、発展も中々しない。そんな風なのに、錬金術師の更に上、創世術師はこの世界のシステムを目に見える形で作り出してる!」
「ティア本人は錬金術師って、言い張るけどね。確実に創世術師よ。それも稀代の天才」
「…………一瞬でも敵に回ったことが今更恐ろしくなったわ」