魔弾
「なぜ、じゃないわよ。何回こんなくだりやらせる気よ!」
「知らないですよ」
「アンタなんて呼ばれてるか知ってる?」
「絶世の美女とか?」
「ブローカー」
「作ってるのに!?」
「常識すらぶっ壊すからだそうだ。統括会に龍を持ってきたのは後にも先にもお前だけだろ」
「ミルクショコラに関しては私も分からないんですよ。本当に創世術だったのか。なぜ出来ちゃったのか」
「錬金術は誰でも出来るものじゃない変わりに出来る人は何故か出来る物、というか学問だ。そういうことにしておけ、めんどくさい」
「あ、普通にめんどくさいって言った〜」
「そうだよ、厄介な連中を仲間にしたって聞いたぞ」
「耳がお早い」
「俺の従魔は二叉だ。猫を通じてそこそこの情報収集は出来るし……」
「え、出来るし、なに?」
「自分の事はひけらかすもんじゃないと思っただけだ」
「もう、ほとんど言ったあとよね」
「うーるせーなー」
「厄介な仲間、ですか。魔法界の闇みたいな子達ですから、あながち間違ってないですね」
「闇ぃ?」
「なるほどな、魔法使いの根深い問題ではある」
「そのせいで各国政府の暗部、というか掃除屋に流れて言ってる背景もある」
「その先聞きたくないですね」
「小競り合いもある」
「どうしようもないのよ、今更」
「それよりだ、お前ホイホイ仲間にし過ぎだ。少しは立場を弁えろよ。錬金術師共にも関わってるだろ?」
「そりゃぁ、仲間ですもん」
「ティアはアイツを探したいのよね」
「そうですよ。1発殴ります」
「なら、こんな事に時間は取れなくないかしら」
「私1人で師匠を上回っているなら必要は無いでしょうけど、現状そうじゃないですからね。数で勝負しないと」
「打算もあると」
「そりゃあ」
「……話は変わるが精霊の石を集めに行ってるんだよな?」
「そうですよ。錬金術に必要なので」
「そうか。まぁ、なんだ。コレをやる」
「なんです?」
「魔弾」
「銃弾」
「違う。お前銃もってるだろ」
「なんで知ってるんですか」
「私に打とうとしたの知ってるわよ」
「サァ、ナンノコトデショウカ」
「素人に銃は難しいだろう。なら、魔法にすればいい」
「それが、魔弾?」