臨時で食客的なティア組
「君はここに来る度人を驚かせてくれるな」
「ありがとうございます」
「いや、褒められてないから」
「しかしなァ、君達はいい噂はないぞ」
「そりゃ、そうですよ」
「は?」
「お、おい!」
「アナタ達組織が意図的にハブいて、結果的に大きな力を手に入れて、それを手中に収めれてないのですから」
「……痛いとこをつく。しかし、それは統括会に限ってだろう?魔法の組織は大なり小なりある」
「……1番の組織が完全実力主義なのはわかる。だが、育てないのは違うだろう」
「あー、その節はありますね」
「ソフィーさんは統括会の学生でしたね」
「ミホさんもですよ。カリキュラムはありますし、本人の希望で授業は分かれますけど、学生時代で突出したのが無いと才なしとみなして下級の仕事しか出来なくなるんです」
「そんな事が」
「そうね、そのシステムで恩恵を受ける子も多いけど、未来を絶たれる遅咲きも居るのよね」
「概ね分かった。ならば実績を作りなさい」
「実績」
「そうだ、ティアはどちらかと言うとフリーだ。第3勢力と自他共に認める事が手っ取り早い」
「……あ、あれ?私統括会の生徒……」
「スパイね!」
「ヒィィ!わ、わた、私なんて……!!」
「現時点での地位を捨てる必要は無いわよ。私だって星座の弟子なんだから」
「ま、そーだな。縁を切ることはねぇ」
「その上で異質な枠組みであれ、と」
「あーうん。それで」
「なんか適当じゃないですか?」
「そんなことは無い。ま、だからさ、サクッと妖精さん達の問題解決してきてね〜」
「よし、許されましたね!」
「アンタの目的が遠ざかったのよ?」
「いえ、急がば回れです。それなりの地位はそれなりの情報が入りやすい」
「そうね、そうなれば私も動きやすくてティアの役により立てるわ」
「恩に着る」
「ふふん、アナタ達は臨時で食客的なティア組です!」
「リーダーに報告が楽しみだよ!」
「ケッ、こんなのに頼るなんて」
「はぁ、お前なぁ……」
「なんですか?御曹司」
「味方は大事だぜ?」
「……いわれなくても」