あんまり人を怖がらせたらダメですよ?
「私はともかくとしてティアには無理よ」
「あら、じゃあどうしましょう。困った」
「と、とりあえず統括会に行きましょう。貴女暴走しやすそうだし、暴走したら何しでかすかわかったもんじゃないわ」
そう言った二ーヴァさんはどこからか鍵を取り出して家の鍵穴に差し込んだ。
え、絶対あってないのになんで差し込めるんでしょうか。
物置の鍵穴に鍵を指したまま二ーヴァさんが扉を開けば、その中は建物の中でした。
何が起きているのでしょうか、魔法みたいです。
ポカーンとしてても、二ーヴァさんは待ってくれずさっさと歩いていってしまいます。
置いていかれてはたまりません、渋々ついて行きました。
全体的に白い建物ですが、陶器のような感じです。いえ、教会に近いかもしれません。
神の代わりにいかにもな魔法使いの装飾が施されています。
結構な人がいるようでガヤガヤと騒がしい。
こんな騒がしい場所、いつ以来でしょうか。
「なんだあのちっこいの」
「さあ、誰かの子供か?」
「って、おい!魚座の魔法使いじゃねぇか!」
「なんて大物だよ」
「て事はあのちっこいの弟子か?」
「見た目によらずってパターンかもな」
(何この視線。二ーヴァさんより若干後ろって事は私見てるの?場違いだから、だよね。帰りたい。まったく二ーヴァさんったら強引なんだから)
「ここの管理者出してちょうだい」
「は、はいっ!ただいま!しょ、しょしょ少々お待ちください!」
受付っぽいところで二ーヴァさんが声をかけると血相を抱えて受付の人がどっか行ったではありませんか。
「……二ーヴァさん、あんまり人を怖がらせたらダメですよ?」
「そんなつもりは無い!」