堕ちた人
「おめぇーアレだろ?ドゥームズデイ・ブラック・シャドールの弟子だろ?」
男の1人が私を見てそう言った。憎悪に歪んだ目でキツく睨み付けるように。
まるで何かの仇を見つけた様に。
「そうですけど、なにか」
『空間圧縮』
情報屋さん改め、トウカが杖を振るって喋りかけてきた野蛮そうな男に魔法を発動する。
その場がぐにゃりと歪み、野蛮そうな男は咄嗟に後ろに下がった。
その空間は一度魔法名通りに圧縮され、元に戻ろうと弾けた。
その衝撃で野蛮そうな男と、もう一人の男が数メートル吹っ飛び、無防備になった所をブレットが超速で詰めて殴り飛ばした。
流石に殴られて妖精さんを保持できず、空中に投げ出されたところをリーナーの風魔法で救出出来た。
「さて、人質はいませんね。悪人成敗です!」
「フッ、バブルの事も知らずにのうのうと」
「バブル?」
「相手の言うことに引っかからない!」
「優秀なお友達だねぇ。でも、お前のお友達って事を後悔するんだな」
「才能は孤独にしますよ。そして、我々みたいな末路を辿る。あるなしに関わらず、才能が近くにあるだけでね。今回は挨拶程度に、去りますよ」
「な、なんだったんだアイツ!」