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勘冴えるソフィー
ミホを大きな影が塗りつぶす。すぐ側には見慣れない異形。ブレットがホールドして膠着しているが、怖さが上回る。
鋭利な爪、射殺すような目。ブレットととの攻防で血飛沫が全体から垂れている。
「不味い」
「ミルクショコラは森をぐちゃぐちゃにしてしまう」
「おい!早くしろ!限界だ!」
「ミホさん!」
「……ハッ」
「私を見て!」
ミホはソフィーに言われるがまま、ソフィーに視線を移す。
「ティアさん!ミルクショコラは魔力を流せませんか!?移動の魔法を強制的に発動させたいです!」
「わ、分かったわ!」