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隙
化け物の攻撃は当たらないし、ブレットの一撃は相当重いのか、毎度ガードは追いつくがノックバックを食らっている。
ブレットは化け物を中心として右回りに動きつつ、時々動きを停めたりして、化け物の視線を翻弄する。
一瞬の硬直が生まれる事にクレアちゃんは下級から中級の火、水、風の魔法を打ち込んでいく。
その正確さは、目を見張るものがあり、ブレットは被弾する確率があるのにも関わらずなんの憂いもなく動いているに、口では悪く言っても信用していることが伺える。
ティアはそんな目に見えない信頼関係を見れてとても嬉しかった。
「ミホさん、一瞬化け物を今の位置からずらします。その隙に足元の妖精まで飛んでください。その後はブレットがタンク役をしますから冷静に戻ってきてくだい。出来ますか?」
「う、うん。大丈夫。リーナー、私できるよね?」
「ええ、必ず。でなければこんな危険なこと頼めませんから。安心してください。何があってもミホさん」
「なら、大丈夫だね!」