エンカウント
「広い所に出ましたね」
「静かにっ……!何がいる」
「何かって、なによブレット」
「人か?魔物か?区別がつかねぇ!」
「少し見せてください」
「ア゛ァアァ……」
「な、ブレット!今すぐぶっ飛ばして!リーナー、サポート!クレアちゃんは二撃目を!」
「あ、ああ!『受け継がれし血筋、憎まれべし根源の1つを解放せん』」
『保護せよ、彼は友』
『私を導け、野に芽吹く大いなる息吹よ』
「グァァア、アア……ガァルルアア!!」
「やばい、めっちゃこ怒ってる」
「ティア!どーすんの!?」
「あの化け物の足とも!」
「えっ!?なに!?」
「アレって妖精では!?」
「確かに、しかもこの世界の柱ですね。ところで、なんで私には指示をくれなかったのでしょうか?」
「情報屋さん……」
「いえ、これからはトウカと」
「トウカ、あのね、正直まだトウカが何できるかわかんなくって、それで、それで」
「今そんな事どーでもいいんだわ!!目的を決めろ!逃げるか?助けるか?倒すか?」
「ブレット、あと何分持ちますか」
「10分は気合いで持たせる!から、早く!」
「ええっと、えーと」
「ティアさん、落ち着いて。あの妖精は生きてるし、あの化け物はブレットを執拗に狙う」
「何でそんなこと、わかる、の?」
「私、見えた」
「あの距離なら行くだけなら、一瞬でいけるよ」
「ミホさん」
「フッ、さぁ、ティア。どうするの?」
「ならば決まっています。あの妖精を、助けましょう!」