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拗れ
「なるほとね、それで?」
「えっ」
「それで、ティアになんのメリットがある訳なのかしら。危険が及ぶだけじゃなくって?」
「私が守ります!それだけの力は有るつもりです!だからどうか、どうかお願いします。危険なお願いは重々承知です。私に出来ること、支払えるものならなんでもあげます。だから、私を呪縛から解放して!」
「呪縛って」
「言えないの、そう造られてるから」
「じゃあ、ティアに隷属できるっての?」
「ソフィー、隷属ってどういうことかしら。あまりいい響きではないようだけど」
「多分、クレアさんが言ってるのは隷属の契約のことだと思います。魔法のスクロールによる契約で、主人と従者の絶対契約です」
「何だか奴隷みたいね」
「みたいじゃなく、奴隷なんですよ。勿論、禁術ですから、脅しですよ……ね?」
「力があるのはそれだけで危険なの。分かるでしょ。ここに、そのスクロールがあるわ」
「……実物有りますよ!?」
「……クレアちゃん!?」