1008/1009
死者
辺りが沼地になる。
そして、這いずり回る物体が一体、二体とどんどん地面から這い出てくる。
「なにあれ」
「気を付けろ……禁術だ」
ペルシャが両手で口を抑え青い顔で呟き、それをグロリアスが拾う。
グロリアスは驚きと、憎しみが混ざったような顔をしていた。
「おいおい、なんだってんだよ。ただのゴーレムかなんかだろう」
「ブレット、悪い癖ですよ」
「錬金術が使われたのですよ?並大抵のものな訳が無い」
ブレット達は温度差がある。
私は、そんな皆よりも恐怖は強かった。
分かったから。
「皆、アレは死者だよ」




