十分で充分
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11月24日
ついに私の寿命が来た。50年前の20歳の誕生日に死ぬ日を、つまり己の寿命を教えられる。全ての20歳の日本国民にだ。拒否権はない。
60歳までしっかり働いた。70歳になるまで家族とすごし孫を愛で、毎日を、毎時間を楽しんできた。けれども毎日、毎日時計を眺めて死ぬ日を考えた。私は寝る時間を削り、やりたい事全てをやりきり言いたいこともはっきり言った。何も後悔はない。私は私の人生を真っ当に、満足するまで楽しんだ。楽しんだんだ…
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00:02...
00:01..
私は後悔なんてしていない。
楽しんだんだ。
やりきったんだ。
あとは死ぬだけ。
あと一分…10秒…5、4、3、
あぁ。もっと生きたかった。いやだ。死にたくない。 …まだ、まだっ
2、1、0
…あなたはタイトルを、なんて読みましたか?