1/10
猫の目
朝の散歩。いつも出会うのは人ではなく猫だった。茶虎と黒。そいつらは「僕」と顔を見合わせるたびに見つめてくる。猫のツリ目などではない、満月のように限界まで大きく見開かれた目だ。そいつらは「僕」が怖いのだ。静かな朝に突然現れ睨みつけてくる巨人、それが猫たちの「僕」に対する印象なのだろう。いや、「僕」だけじゃない。人も、世界も猫は怖いのかもしれない。突然見知らぬ子供たちに捕まる恐怖、歩いていたら突然車に撥ねられる恐怖。そんな恐怖を猫の満月の目は物語っていた。
朝の散歩。いつも出会うのは人ではなく猫だった。茶虎と黒。そいつらは「僕」と顔を見合わせるたびに見つめてくる。猫のツリ目などではない、満月のように限界まで大きく見開かれた目だ。そいつらは「僕」が怖いのだ。静かな朝に突然現れ睨みつけてくる巨人、それが猫たちの「僕」に対する印象なのだろう。いや、「僕」だけじゃない。人も、世界も猫は怖いのかもしれない。突然見知らぬ子供たちに捕まる恐怖、歩いていたら突然車に撥ねられる恐怖。そんな恐怖を猫の満月の目は物語っていた。
特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。