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39:仲間のヌシとスキルの譲渡

 禿鷲のダンジョンでの事件が解決し、私たちは岩山のダンジョンに戻ってきていた。

 クローは元気で、禿鷲のダンジョンは水蛇のダンジョンの一部となってしまった。

 私は、クローの言葉を思い返す。

 彼女は「峡谷か岩山を狙っていた」と口にしていた。

 このダンジョンも乗っ取られる危機だったのだ。いや、まだ危機は去っていない。

 厄介な隣人から、ダンジョンを守らなければならない!

 私はダンジョンの更なる強化を推進する。


 さて、岩山のダンジョンに更なる住人が増えた。

 禿鷲のダンジョンの元奴隷たちだ。

 内訳は、人間が二人とウルフが一体、シルキーが一体、スプリガンが一体。

 人魚五体は去ってしまった。彼らは水中の方が回復が早いそうなので、ヴァレリが川へ逃がしたのだ。

 ハーピー二体も、あの後どこからともなく仲間が迎えに来たので共に帰って行った。

 奴隷以外のハーピーたちはもともと、捕らわれた仲間を助ける機会を窺っていたらしい。


 と言うわけで、残りのメンバーの治療をしている。

 人間の男女は、冒険者のようだ。

 ウルフの雌は薄汚れていたが洗うと白くてモフモフの毛並みになった。

 シルキーは少女姿で、家事を得意とするモンスターらしい。

 スプリガンは少年姿で、宝物を守るのに適した種族のようだ。

 だけど、モンスターの見た目は当てにならない。クローが良い例だった。


 怪我をしている奴隷たちは回復中なので、私は先に仲間になったリーリアと話をする。

 ちなみに、私のレベルはまた上がった。


■ステータス■P1


<ダンジョン>

ダンジョン:<名称未設定>(レベル40)

ヌシ:モエギ(レベル100)

   体力—3000/3000

   気力—3000/3000

   特性—創世神の加護(ダンジョン内・自由カスタマイズ)

   装備—

   性質—ダメージ無効(ただしダンジョン内に限る)

   技能—鑑定(相手の情報を見ることができる)・譲渡(仲間のヌシにスキルを譲り渡す)

面積:10平方キロメートル(拡張制限解除)

地形:洞窟・岩山・砂地・川・草原


<モンスター>

魔王

 淫魔種:淫魔:カルロ(レベル500)

 狼種:ウルフ:ブルーノ(レベル160)

 馬種(天馬・火馬):火天馬:ヴァレリ(レベル490)・他


■ステータス■P2


<スキル>(レベルによりできることが増えていく仕様)

畑作:レベル40(畑で作物を育てる。季節は関係なく収穫の早さはレベルによる)

勧誘:レベル40(中級モンスター1体を味方にできる。体力を5・気力を5消費する)

整備:レベル完(ダンジョンを整備する。体力を消費しない)

城建設:レベル20(魔王の城「小」を建設・移動する)

巣建築:レベル10(モンスターの巣を建築する)

罠設置:レベル10(罠を作って設置する)

結界:レベル10(ダンジョンに結界を張る。体力を100消費する)

地形変更:レベル10(地形特性を変更する)


「モエギ様、同じダンジョンのヌシ同士はスキルの譲渡ができるのです」

「譲渡?」

「はい、例えば、今のリーリア様のスキルですが……」


■ステータス■P1


所属ダンジョン:<名称未設定>(レベル40)

ヌシ:リーリア(レベル20)

   体力—40/40

   気力—40/40

   装備—木のナイフ

   性質—農民(植物生産系スキル上昇)


■ステータス■P2


<スキル>

成長:レベル4(植物の成長加速)

精製:レベル4(植物を加工する)


 スマホ画面にシンプルなステータスが表示された。

 チリの言うように、私のスキルは創世神の加護があるので特殊なようだ。

 チリは画面を見ながら説明を続ける。


「例えばリーリア様の得意とする植物生産系のスキルを譲渡すれば、より効率よくダンジョンを運営できます。モエギ様がたくさんスキルを持っていても、一日にできることには限界があるでしょう?」

「確かに……」


 城設計、罠設置、地形変更などのスキルは手つかずだ。


「譲渡相手がダンジョンを抜けた場合、スキルは譲渡前に戻りますのでご安心を」

「なるほどね。じゃあ、リーリアにスキルを譲渡してみるわね」


 そう言うと、リーリアが目に見えて焦りだした。


「そ、そんな! モエギさんの貴重な力を譲り受けるわけには……」

「リーリア、お願い。ダンジョンも拡大し続けているし、正直言って私だけじゃ手が回らないの。得意分野だけ引き受けてもらえないかしら」

「で、でも……いいの?」

「ええ。むしろお願いしたいわ」


 というわけで、私は彼女の力に関係しそうなスキルを譲渡することにした。


整備:レベル完(ダンジョンを整備する。体力を消費しない)

畑作:レベル40(畑で作物を育てる。季節は関係なく収穫の早さはレベルによる)

罠設置:レベル10(罠を作って設置する)


 これらをリーリアに譲り渡す。

 スマホに「譲渡しますか」と表示が出たので「はい」を選んだ。

 これで、私のスキルも少しすっきりした。


「ありがとう、モエギさん。私、頑張る!」


 リーリアは決意に満ちた瞳で私とチリを見つめた。


(怪我をしているモンスターたちも仲間にできないかしら)


 水蛇のダンジョンメンバーの侵略に備えるため、ダンジョンを強化する必要がある。

 彼らを仲間にすると、また大幅にレベルを上げることができそうだった。


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