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22:ゴブリンに体当たりしてみよう

 とりあえず、色々レベルを上げてみたら、またステータスが変化した。



■ステータス■P1

<ダンジョン>

ダンジョン:<名称未設定>(レベル2)

ヌシ:モエギ(レベル10)

   体力—100/100

   気力—120/120

   特性—創世神の加護(ダンジョン内・自由カスタマイズ)

   装備—

   性質—ダメージ無効(ただしダンジョン内に限る)

面積:2000平方メートル

   拡張—レベル10で可能(+100平方メートル)

地形:洞窟・岩山

<モンスター>

魔王:カルロ(レベル85)

ウルフ:ブルーノ(レベル15)


■ステータス■P2

<スキル>(レベルによりできることが増えていく仕様)

畑作:レベル10(畑で日本の作物を育てられる。四季は関係なく収穫の早さはレベルによる。消費する体力は作物によって異なる)

勧誘:レベル2(下級モンスター1体をダンジョンへ呼び寄せることができる。体力を15・気力を15消費する)

整備:レベル完(ダンジョンを整備する。体力を消費しない)

召喚:レベル8(3回限り、前世にあったもの(無機物)を1つ呼び寄せることができる。体力10・気力20消費する)

城建設:レベル3(魔王の城「小」を建設・移動する)


 まだ、ダンジョンのレベルは3にならない……が、馬たちが来てしまった。

 洞窟の前に立てたカフェの外……岩山の向こうにずらりと並んでいる。

 燃えさかるたてがみを纏った赤い馬と、白く輝く羽を生やした宙に浮く馬。火馬種と天馬種だ。

 その数、大体30体ほどで、ほぼ全員が厳めしい顔つきをしている。馬だけど。


「どうしよう、カルロ……馬たちが来るの、割と早かったよ。まだまだ時間があると思っていたのに」

「モエギだけは、私が守る。馬には渡さない」


 深刻な表情でカルロと見つめ合っていると、馬の中から見覚えのある男性が姿を現した。ヴァレリだ。


「答えを聞きに来たぞ、魔王」

「最初から、答えは決まっている。モエギは渡さない」


 カルロは至極真面目な顔で答えた。


(いや、だから……私じゃなくて、ダンジョンは渡さないとかにしようよ。その方が格好つくし)


 全員の間にピリピリとした空気が走り、カルロとウルフ、ヴァレリたちが殺気立った。

 しかし、そのとき、岩山の向こうから奇声が響き渡った。

 赤ん坊よりも甲高い、ギャアギャアと耳障りな声だった。

 声は近く、岩山の向こうに緑色の群れが見える。


「カルロ、アレは何?」

「ゴブリン……子鬼種だ。このダンジョンを嗅ぎつけてきたのだろう。奴らは力こそ弱いが数が多く、多少は知恵も回る。ドサクサに紛れて攻撃して来る気みたいだな」


 馬たちが不愉快そうに嘶いている。そのうち数頭がゴブリンを目指して突っ込んでいった。


「あーあ、あいつら、喧嘩っ早いからな」


 後ろを振り返ったヴァレリは、呆れたようにそう言った。


「前々から、草原を荒らし回っている奴らだ。何度追い払ってもしつこく湧いて出てきて……奴らの狙いはこのダンジョンらしいから、それもあって早くここを抑えておきたいんだよ。なんだか良さげな建物も建っているしな」


 ヴァレリは興味深そうにカフェを眺めている。

 彼の後ろでは、ゴブリンと馬たちの争いが激化していた。


「あの、後ろのゴブリンたちをなんとかした方が良くないかしら? どんどん数が増えているような気がするんだけど?」


 馬三十頭に対して、ゴブリンは三倍くらいいる。次々にやってくるので、まだまだ数が増えそうだ。馬たちの方が強いが、ゴブリンの数の多さには辟易している様子。

 戸惑いつつ様子を見ていると、一頭のファイアーホースがゴブリンたちに囲まれているのが見えた。

 その馬はまだ子供で、上手に敵を追い払えずにいる。つぶらな黒い瞳には、恐怖がありありと浮かんでいた。

 ゴブリンのうち一体が、子馬の頭に向かって手にしていた棍棒を振り上げる。


「あ、危ない!」


 気付いたら体が動いていた。ダンジョンの中では私は怪我を負わない無敵状態だ。

 そして、子馬のいる岩山部分は、ダンジョンの敷地に含まれる。

 駆けだした私は、馬を襲うゴブリンに向けてダイブした。


「キェェ!」


 悲鳴を上げるゴブリンめがけて、私は渾身の力を込めて体当たりする。

 すると、子供ほどの大きさのゴブリンが、ものすごい勢いで吹っ飛んでいった……

 もう一度言う、吹っ飛んでいった……


「えっ……?」


 今のは一体……?

 

 特撮の切られ役もびっくりするほどの、飛距離だった。

 びっくりして固まっていると、もう一匹のゴブリンが襲いかかってきた。


「嫌ーっ!」


 思わず手で払いのけると、そのゴブリンも大きな放物線を描いて飛ばされていく。

 そんな強く叩いたつもりはないのに。


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