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卓球部ですが何か  作者: ENTER
一章 天夢の野望
7/10

第七話 相棒

あなたには相棒と呼べる存在はいますか?

私は…私はっ…

「おめそれほんとにゆってんだが?…あれ違う!お前それほんとに言ってんのか?」


 (…まずい…動揺しすぎて訛りが出ちまった…)


「はい!私の言葉に嘘偽りはございません!」

「ちょ、…ごめんそのテンションにはついていけそうにない


 …で、俺…は、どうしたらいいんだ?…」


「天夢君はもう一度部長に立ち向かって下さい!私、全力でサポートする所存にございます!」

「おいおいお前武士かよ…って待てそれってつまりどういうことだ?」

「つまりもへったくれもないですよ!私は天夢君のこの前の話に本当に感動したんです。だから天夢君にその夢を叶えてほしい。そして私はそのお手伝いをしたいんです!」




 …ああ、そっちだったか…




 天夢の淡い期待は無残にも打ち砕かれてしまった。だが願ってもいなかった助っ人が手に入った。まあ、テンションの振り幅が以上に大きいこの女がどの程度役に立つかは分からんが…


「本当に手伝ってくれるのか?それならそれほど嬉しいことはない。ちょうど誰も味方がいなくて途方に暮れてたところだってんでな…。

 そういえば名前をまだ聞いてなかったな。名前は何ていうんだ?」


「私の名前は飛鳥!。宇野飛鳥うのあすかです!」


 その名字には聞き覚えがあった。ただ、まさかそんな都合のいい話があるわけがない。俺の頭は少女漫画か?な○う小説か?うんうん、そんな変な期待は持たない方がい…



「私は!宇野海人!の妹です!。」

「…おす」


 なんだよ、おすって…マジかよ…実現しちまったよ俺の妄想…


 ひとつ咳払いをして落ち着いた素振りをして答える


「そうか、とりあえずありがとう。これからよろしくな」

「はい!私、天夢君の為なら何でも!しますよ!」


 天夢は、自分は最強のカードを手に入れてしまったのかもしれないと思った。取り敢えずこれは今までにないビッグチャンスだ。


「分かった。今日はもうアレだから、明日ゆっくり夕飯でも食べながら話さないか?」

「分かりました!それでは明日、お待ちしております!」

「お前ほんとにそのテンションの抑えどころを知らないのな…。おし、じゃあ明日」


 次の日、天夢と は、昇降口を出たところにある時計の下で待ち合わせをしていた。


「…お待たせゼェゼェ致しゼェゼェましたゼェゼェ天夢く…」

「ああああもういいもういい、どうしてお前はいっつもこんなボロボロの状態でやってくるんだよ…」


 待ち合わせに遅れまいとダッシュしてきて息切れする少女とそれを苦笑いしながらも受け止める少年。傍から見ればキラキラのエフェクトが掛かってもいいくらいのシチュエーションなのだが、天夢達の場合は訳が違う。

 二人が挑むのは戦、そして今からやるのはその作戦会議なのである。


「まったく…そろそろ落ち着いたか?」

「はい!完全復活! !行きますです!」

「お前のそのテンションの振り幅には毎回毎回びっくりだよ…」


 二人は自転車を漕ぎ出した。


 年頃の男女が向かうべきところは、ちょっとお洒落なカフェであったり、レストランであったりするべきなのだろう。信号待ちで隣にいたカップルらしき二人組は、

「嬉しいね、やっとバックスターコーヒーに行けるのね!うちの県にようやく進出してくると聞いて、ずっと楽しみにしてたの!」


 まあこんな具合である。

 しかし繰り返しになるが、天夢達が行うのは戦の作戦会議である。そんなフワフワした、キラキラした所でなど出来るわけがない。


 「さて、行くか」


 二人が到着したのはマック・ド・ナルド。安い、上手い、速い、三拍子揃っており、客は皆めいめいに会話を楽しんでいるので、こちらの会議も全く気にはならないだろう。


「ポテトとテリヤキバーガーとコーラで」

「私はシーフードバーガーとジンジャーエールで」

 二人は注文を済ませ、早速話し合いに入った。


「まず…ほんとにお前はあの部長さん、宇野海人の妹ってことでいいんだな?」

「はい、間違いありませんですわ」

「ですわって急にどうしたお前…まあいいや。俺があの話をした後、部長さんになにか変化はあったか?」

「いえ、まったくありませんね…強いて言うならやや食欲が無いこととか、勉強に集中できない様であることとかですかね?」

「おいおいそれってめちゃくちゃ動揺してんじゃねえかよ!何が全く無いだよ!」


「あっそうだ私このフライドチキン追加していいですかね?」

「話を聞けえええぇ!」

「あっ、ごめんなさい」

「はあ…ほんとお前には振り回されそうだなこれから…。

 …そうか、取り敢えず、何かしらアイツの心には爪痕を残せたわけだな」

「そだねー」

「ぶん殴るぞテメェ!」


 こんな調子でやりあっているうちに、料理がやってくる。


「あああおおいしいいい!私コレほんとに好きなんですよ〜あっ、ああはあこれもしゅきいい!やっぱチキン追加して良かったあ!」

「おまえはなんだ、黙ると死ぬのか?てか、飯を食うのがメインじゃないんだからな?本題を忘れるなよ本題を。」

「分かってますよ!今日はどうやって兄ちゃんを落とせばいいか考えるためにも、私の兄ちゃんのことを知ってもらいます!ちゃんと自分の経験と記憶を引っ張り出して昨日の夜まとめてきました!3時までかかったんですよ3時!お陰で今日の授業中は眠くて眠くてもう…」


「分かった分かった、ありがとうな。じゃあ早速それを聞かせてくれないか?」

「では行きますよ〜。こほん。えー。説明しよう!彼の名前は宇野海人。17歳。誕生日は9月9日。177センチ、65キロ。好きな食べ物はさくらんぼ。好きな卓球選手は…」

「おい!俺はアイツと合コンでもするのか!もういいや、アイツの過去だけでいいから教えてくれ…」

「えーこっからが面白いとこなのにぃ〜ちえー。まあいいですよ天夢君の望みなら!」


 そう言って飛鳥は語りだした。


 


兄弟っていいですよね…

私は下はいるんですが上がいないのでお兄ちゃんかお姉ちゃんが欲しかったな


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