プロローグ 半異世界の始まり
初投稿です よろしくお願いします!
時は60年前。地球は深刻なエネルギー問題に直面していた。各国首脳は緊急対策会議を開き、延々と頭を悩ませていた。
しかしそんな時、颯爽と現れた紫の髪を持つ男シゲノイナバはこう言い放った。
「俺にはこの地球を救うプランがある。乗るか乗らないかはお前ら次第。どうする?」
突然現れて礼儀も何もあったもんじゃなかったが、確かにシゲノには実績があった。
認知症の特効薬、自然に優しい発電の実用化。全てシゲノいてこその事業だった。
そんなシゲノの言葉に各国首脳は藁にもすがる思いでそのプランにのった。
シゲノの計画は宇宙に漂う謎の物質ダークマターをオゾン層を破壊し地球に取り込みエネルギーに変えるというものだった。
理論上は可能らしいがダークマターという物質自体が分かっていることが少なく、計画はとても不安なものだったが、地球に残された道はそれしかなかった。
計画は成功した。
地球は歓喜に包まれた。しかしそれも一時のことだった。
ダークマターからでは電気が作れなかったのだ。人類はあの明るさに溢れた生活を取り戻したかったのだ。
石油のように、衣服や、ペットボトルは作ることができる。しかし電気は作れない。
地球は再び暗く、沈んだ。
その出来事から1ヶ月後、世界各国から次々と特殊な能力を持つ子供達が出産されたという報告が上がってきた。
氷を作り出す、異常なほどの怪力を出すなどだ。それにともなって、異常な形状、能力をした生物の発見情報が多く上ってきた。
酸を吐き出すカエルや、超高速移動するカバなどだ。
シゲノは悟った、俺のせいだと、俺が地球にダークマターを取り込んだせいで、世界は変わってしまったと。
それからシゲノはダークマターがこれ以上暴走しないよう、管理するプログラム、Dシステムを構築し、行方をくらました。しかし、そのシステムも徐々にダークマターに取り込まれていった。
これは現実世界と異世界の狭間の物語。そんな中途半端な世界の物語が今始まる。