00夜.プロローグ
「ママ・・・また白い影が通った。」
小さい頃から私の目の前を通る白い影は家の中にいても外にいても
度々、私の目の前に現れるから怖い毎日が続いてその数か月後、
慣れて来たのか私はその白い影を怖がらなくなった。
食事中の出来事---
ママの口が突然、開いてびっくりしたのを私は覚えている。
「白い影はもう見えなくなったの?最近、言わないから気になった。」
「どこかへ行ったみたい。」
「良かったね。」
ママに嘘をついてしまったんだ。
本当はあの白い影は毎日--- 現れる。
その数年後、私は高校2年生になった修学旅行中の夜。
自動販売機で飲み物を買いに、友達と廊下を歩いていたら
白い影が気になって私は、つい。 影を追いかけるのに夢中で
友達が今、どこにいるのかわからなくなった。
そうだ。 ケータイで友達に電話しよう。
私は白い影を見るたびに無意識で追いかけてしまう癖があるから危ない。危ない。
---ケータイで友達に電話しようとしたその瞬間!
「ひゃああぁっ!!」
「・・・なんだ、俺達の姿が見えるのかよ。」
「だから言ってるじゃないか。この子は俺達の姿が見える力があるんだよ。」
「この子ならボク達を救ってくれるかもしれないよ?」
「だああああぁぁぁっ!!!幽霊になっても腹は減るのか!!!」
最初に喋り始めたのは高校生ぐらいの男の子かな?
私のお尻をいきなり触って変態っぽいけどフツーの男の子。
次に喋り始めたのは30代ぐらいの、ぼんやりとした表情がとても印象に残った男性。
何を考えているのかなんで寂しい顔をしているのかわからないけれど不思議系?
3人目は私より身長が低いから中学生ぐらいの男の子かな?
冷静でしっかり者、クール少年っぽい感じか。
最後の肉体がかっこいい美青年は、本当にモデルみたいだなぁ。
怖そうな目つきをしているけれど女の子には優しいかもしれない。
「おい。小娘。」
「えっ?私・・・」
「お前、俺達の姿が見えるだろ?霊感が強いっていう事か。」
「小さい頃から白い影見えてた・・・かな?」
「もしかして小さい頃から私の事を見ていた白い影ですか!?」
「ボク達はキミとは小さい頃から会ってないよ。」
「・・・まさか幽霊さん?」
「そうなんだけどよ、俺達の姿が見える人間を探してたんだ!居候させてくれ。」
「桐生クン・・・いきなりじゃあ、彼女は驚いちゃうよ。ねっ?南城。」
「九条!テメェ、年上に対してなんだよ。その態度は。」
「いつものボクだけど。なにか問題でも。」
「テェ~~メェ~~ッッ」
「少しは落ち着け!お前ら!」
「ボクは落ち着いてるけど?」
「あぁー・・・困ったね、お嬢ちゃん。今回は諦めようか。解散。」
「せっかくのチャンスなのに、美和さんっ!」
「桐生、諦めるしかないぞ。他を探すぞ。」
彼らは突然、真剣な目つきの表情になって私は戸惑っている。
---背後から先生の声が聴こえた。
「七理?どうしたんだ、立ち止まって。あれ?美和じゃないか。」
「え?知り合いですか!?」