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運営の開き直りと、あるプレイヤーの引退

辻褄がおかしいので改稿します。

 

 運営も開き直ったのか、素知らぬ顔をしてイベントを開催した。

 しかも無駄足になるのを隠すかのように、豪華な景品を出すと言い出す。

 しかしその景品の数々は既に、あるプレイヤーが使用中なのだ。


 すなわち。


『白虎のあるじの方・プライベイトワールド獲得・自分だけのプライベイトな空間で神獣と共に過ごせます。もちろん、中で生産も可能になってまして、草木を植えたりと様々な使い道が出来ます。朱雀のあるじの方・火炎系最上級魔法の譲渡・1日1回限り、MPの使用無しに行使が可能になります。その威力は現在の最高級の火炎魔法の数倍を誇り、いかなる者も焼き尽くすと言われております。玄武のあるじの方・身代わり防御を獲得・玄武の強靭な防御力をその身に宿し、鎧など不要な防御力を得られます。とは言うものの、油断は禁物です。青竜のあるじの方・水に関する全ての技能が得られます・それが水魔法ならば、効果は変わらずともMP消費量は限りなく少なくなります。後は水中でも呼吸に困る事はなくなり、快適な水中活動が可能になります』


 あの時のメッセージそのままの景品とかさ、本当にプレイヤーを道化にしたいようだな。


 ~☆~★~☆


 その頃、掲示板ではあるプレイヤーによるチートプレイヤーの告発が派手に行われていた。

 しかし仮想現実型ゲームでのチートは不可能とされていて、それを信じる者は居ない。

 それでもあんまり酷い有様に、遂に同行の士が裏切った。

 すなわち、PKによる反撃デスペナを食らったキャラによる、逆恨み晒しだと皆に訴えたのだ。

 それはかつての彼に情報を提供した闇のナイフと言われていたキャラであり、今ではPKKに転向したものの、PKの内部情報を漏洩していた、いわばスパイのような存在からの告発。

 彼はかつて、そいつがやらかした一連の事柄を全て書き記し、彼に対しての行為が完全に逆恨みによるものと訴えた。

 それと共に、現在の酒のメッカとして知名度を上げている場所から追い出した一味だとも訴える。


 ~☆~★~☆


 768 クラリス


 つまりさ、今のあの場所で酒を造っているのはもう当人じゃない訳よ。

 商標から何から全てを彼から奪ってさ、あたかも彼の代理みたいに振舞っているけど、あそこにもう彼は居ないんだ。

 酷い話だよね。あそこは彼が開発した場所だと言うのに。

 下らない逆恨みで酒造りの先駆者を追い出すとか、つまらない事をやってんじゃねぇよ。

 見ているのか、ケンジ。

 悪いがもう、リアルでも絶交だ。


 769 サーマル


 おいおい、リアネは拙いだろ。

 まあ、言いたい事は分かるけどよ。


 770 クラリス


 ああもう良いんだ。

 僕は引退するからさ。


 ~☆~★~☆


 オレがもう表の世界に興味が尽き、プライベイトワールドでのんびり過ごすようになっていた頃、知らないところで騒ぎになり、知らないところで旧知が引退を決めていた。

 フィールドに出なくなった事でレベルが上がる事も無くなり、イベントの事も忘れて酒造りの日々となる。

 結局、運営からお願いメールが届き、神獣達を促して出張してもらう事になる。

 ただ、どうにも茶番なのが哀れだけど、イベントに参加した面々は手の平を返すように懐かせようと色々な手法を採っていく。


 確かにかつての神獣のあるじの立ち位置にメリットは無く、食費は嵩むし不平不満をあるじに訴えていたという。

 だから彼ら神獣に対して他のプレイヤーからのアプローチも無く、あるじになってしまった者達もあるじとしての自覚すら持てず、システム上必要だから仕方なくといった態度だったと神獣達の口から聞いている。


 シロの超本気モードは確かに凄かったし、他の神獣達も同様に凄い攻撃を持ってはいた。

 だけどまともに戦ったのは闇に墜ちていたキンとの戦いぐらいで、普段は足手まといな立ち位置だったという。


『だって、美味しい物はくれないし、戦えってどなるんだ。そんな相手の為にとか無理』

『妾は奴隷ではないからの、あのような者の為に戦うなど思いもよらぬわ』

『酷いんだよ。寝ていたら蹴飛ばすんだ。なのに逃げられなくて。そんなのに戦うとか嫌』

『こやつは弱いからの。我が戦わねばならぬのじゃ。決してイカの為では無いのじゃ』


 シロだけはちょっと白々しい台詞だけど、多少はそんな想いもあるのかも知れない。

 ともかく、待遇が悪かったせいでやる気が出なかったらしく、強く言われれば言われる程にやる気が失せたのだという。

 そもそも、ガチ勢に神獣を可愛がれと言うほうが間違っているかも知れないけど、もうちょっと何とかならなかったのかと思う。


 後、あの黄龍イベントの件だけど、彼らが示し合わせて攻略組が居なくなるのを待っていたらしい。

 さすがに捨てるような相手に昔仲間の彼の復活など見せたくなかったと言うのが彼らの言だけど、そこまで自由な彼らを少し不思議に思う。

 現にイベントが崩壊しているぐらいなのに、彼らに対する強制が成されない事だ。

 そもそも、運営からのお願いメールというのも不思議な話だ。

 システムをいじくれば普通は神獣や女神の行動は何とでもなるはずなのに、わざわざプレイヤーにお願いする理由が分からない。


 いくらアナザーワールド……異世界って設定でも、これじゃ本当に異世界の存在じゃないか。

 まるでオレ達が異世界の存在に憑依して体験しているかのような気持ちになり、まさかと思うと共にファンタジー脳って言葉が浮かんでくる。

 これは運営の演出の一環なんだと無理矢理に納得する事にして、深く考えるのを止めた。


 結局、イベントは誰かがあるじになったという、その結果だけを残して終わった。

 つまり、あるじになろうとしたら既にもうあるじは居るという返事が帰ってきたという訳で、誰が神獣のあるじになったのかは分からないままに終わったのだ。

 イベント板でも誰かに先を越されたという書き込みばかりで、神獣のあるじになったという書き込みは一切無かった。

 それでも神獣に話し掛けた回数や、対応の良し悪しの結果から何人かに敢闘賞が授けられたという。

 それは元来課金で得られるようなアイテムであり、今後実装されるはずのアイテムであり、いわば試供品の立ち位置での配布であったという。


 それにしても、神獣が揃ってホタルイカの一夜干しの甘煮が好物って、どうなっているんだろう。


『アレをもっと造るのじゃ』


 飽きないのかな? 


 でも、食いたいのならいくらでも造るさ。


 そして酒もな。


 外の世界じゃ色々あるようだけど、もうオレはこの中だけでいい。


 ちょ~っと女神様達のリクエストが激しいけど、それに応えるもの悪くない。


 もちろん、神獣達からのリクエストもだけど。


 うん、今回の酒の出来も中々かな。


 『この果物で造るのよ』 


 『これも入れるのよ』


 女神様達はやはり女という事で、甘食のリクエストが主だ。


 今日も色々なアレンジのおやつのリクエストだ。


 『アレを出すのじゃ』


 お前も変わらないな、相変わらず。


 はいはい、ホタルイカの一夜干しの甘煮、お待ち。


 ああ、いつまでもこうやっていられたら……




 お・し・ま・い


 ~☆~★~☆


 あんまり話が大きくなるとグダグダになりそうなので、ここで終わらせました。

 というか、メインが動いてくれないので仕方なくです。


 どうやら彼は理想郷を見つけたようで、もう他のプレイヤーへの興味をなくしてしまったようです。

 プライベイトワールドでの話を書いていっても良いのですが、ゲームの話じゃなくなってしまいそうなのでやめました。

 元々、VRの要素の薄い話ではありましたが、全く無くなってしまうのも拙いと思いました。


 なにはともあれ、読んでいただきありがとうございました。

  

現在、蛇足を構成中。

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